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【迷機】ホールも規制もぶっ壊した台。いろはに愛姫 [解説]

引用先:https://www.youtube.com/watch?v=A02Di-BI4tA

「とにかく甘い」で有名な「いろはに愛姫」ですが、元々は後に出るクソ台、「サラリーマン番長2」を購入するために買う、いわば抱き合わせの位置づけでホールに設置されました。

 

どちらもホールにとってみれば壊滅的なダメージを与えたのに間違いはないのですが、打ち手からすれば、この「いろはに愛姫」のほうは神台のような存在だったと思います。

ディスクアップのように難しい技術介入もないので、設置してから利益が取れず、連日赤垂れ流し。即撤去したホールもあれば、客を呼ぶためにわざと設置を続けるホールもありましたね。

 

今回は「いろはに愛姫」のARTの仕組みと、”実は”ちょっと攻めた台であったことなどを書いていきたいと思います。

 

愛姫がかわいくて打ってたんやで!()

 

 

 

いろはに愛姫について

引用先:https://p-town.dmm.com/machines/3646

引用先:https://p-town.dmm.com/machines/3646
いろはに愛姫

型式名:Sいろはに愛姫PA5
メーカー:パオン・ディーピー(大都技研)
導入日:2020年3月2日
機械割:96.8%~106.0%(通常) 104.1%~106.0%(完全攻略)
タイプ:ボーナス+ART

 

どんな機械だったの?

設定が「左」・「中」・「右」・「6」の4段階で、青7が揃う押し順に偏りがあります。この偏りから設定を推測して機械割を上げられるという革新的な台でした。

 

BIG後はART確定。ボーナス中の約1/6で青7を狙うカットインが出現し、青7が揃えばARTのゲーム数を獲得。青7は左、中、右の3択。設定を早く看破すれば、その分ARTのゲーム数が増えるので、出玉を削る通常時を少なくすることができます。

 

「設定左」であれば左1stで押した際、青7が揃う確率が50%。中と右がそれぞれ25%。同様に「設定中」であれば、中1stで押した際、青7は50%、「設定右」であれば、右1stで押した際、青7は50%で揃います。

設定6のみ均等の振り分けですが、揃った際のゲーム数がほかの設定に比べるとやや優遇されています。

また、どこから押しても揃う共通フラグの個数も増えており、3択フラグと合算すると、どこを押しても約40%で揃うようです。

 

スペックは革新的だったんよね。

 

 

ARTの仕組み解説

甘さを語る前に、ARTの仕組みを見ていきます。ART機自体6号機では珍しいので、6号機から打ち始めた人に向けての解説になります。

 

ART機は大きく3つのパターンがあると思ってください。

 

■ART機のパターン■
①ボーナス成立後RTを使う
→ボーナス成立時に揃えずRTを変えて、ハズレをリプレイで埋める。
例:2027(5号機)など
※ARTではないですが、ギアスCC&Kallen、ゾンビランドサガも使ってます。

②ボーナス終了後RTを使う     愛姫はこれ!
→ボーナス成立後同様に、終了後にもRTを変えることができる。
すべてのART機はボーナス後にRTを変えているが、ここではボーナス後に無条件でリプレイ確率が上がる台のことを指すことにする。
例:ディスクアップ(5.9号機)、いろはに愛姫 ファミスタ回胴版 など
※ARTではないですが、リゼロApexも使っています。

③小役をこぼした時のRTを使う
→ベルなどの特定小役をこぼした際にRTが変わり、リプレイ確率が上がったり、ART突入リプレイが成立したりする。ART準備中がある台は大体これ。
例:マジカルハロウィンひぐらしのなく頃に祭2 など
※ARTではないですが、このすばAも使っています。

規定ゲーム数消化、特定小役の入賞でもRTを変えられますが、今回は割愛します。

 

愛姫はボーナス終了後のリプレイタイムを用いてARTを実現しています。

3択の押し順リプレイを正解し続けるか、パンク役入賞を回避する限りARTは続きます。

 

3択の押し順リプレイを間違えるとRTが落ちてしまい、通常時と同じリプレイ確率になります。この手の台はARTに復帰しようと思ったら、ボーナスを引くしかありません。ただし落ちるのはRTのみなので、ベルナビはしてくれます。要はAT状態になります。

 

ART機はすべての小役を奪取しても、小役のみでは機械割が100%を超えないので、じわじわ減っていきます。なので押し順は守りましょう。

 

白モヤ発生時に成立しているパンク役を入賞させてもRTが落ちます。これはART機のパターン③の「小役のこぼし」の逆、「特定小役の入賞」でRTを変えています。リプレイ確率が下がるパターンです。

 

打ち手にパンク役を入賞させないようにメーカーも工夫しています。基本的に通常時にチェリーを拾う位置で押していれば、パンクする心配がない台がほとんどですね。

 

型式試験についてはまたどこかで書くかもしれませんが、「小役を完全に奪取する」という性質を逆手にとってパンク役を入賞させ、RTを落としています。ボーナス成立後RTを使う台は大体パンク役が付いています。

 

 

なぜ甘かったのか

①BIG消化ゲーム数がとにかく長い

BIGボーナスの獲得枚数が150枚。BIG中は3枚掛けで8枚ベルを取るので、純増は1ゲームあたり5枚。すなわちオールベルであった場合でも30ゲームは消化する必要があります。

 

ボーナス中の青7を狙うカットインが、設定6以外は約1/6なので、確率通りに引けば5回はチャンスがもらえます。また青7カットインはリプレイフラグなので、引けば引くほどより多くのゲーム数の消化ができます。

 

「設定6」がないことを想定すると、1つの押し順に絞った際、より多く揃う箇所がその設定である可能性が高まります。4連続で外す確率は12.5%なので、4連続で外したらこの押し順は捨てるみたいな簡単な判別で設定看破が終わります。

 

またART中も押し順が出ることがあり、ART中も設定看破が可能。1回目のBIGで半信半疑でも、場合によっては1回のARTで確信に変えることもできました。

 

20回くらい試行を重ねると、その設定の期待度が約70%OVERになるよ。

 

 

②転落リプレイ成立までは内部ART状態

ボーナス後RTを搭載している機械は、BIGであろうがREGであろうがRTが移行し、リプレイ確率が上昇します。通常時に引いたボーナスがBIGであれば、そのままART突入なのでナビが出ますが、REGであった場合はナビが出ません。しかし、ナビを出さないのは、

①パンク役成立時

②RT転落3択リプレイ成立時

であり、ART中に出ることがある3択7揃いリプレイはナビを出します。ART中なのに青7が揃うことを避けるためです。

なおこのリプレイにRT転落機能はありません。この7揃いフラグの偏りも、設定に依存しています。

 

つまり、REG終了後のRT転落する前に出たナビの第一停止は、7揃いの不正解の押し順と言えます。これで7揃いの正解が3択から2択に絞られます。あとはちらかを押して揃えば正解。揃わなければもう一つの押し順が正解と、サンプルを増やすことができました。

 

結果として、打ち始めて最初に引いたボーナスがREGであっても、設定判別がある程度できてしまったという仕様がありました。

 

セグが動いていないナビは逆らっても特に問題ないです!

 

 

まとめ

青7揃いに偏りがあるというなかなか攻めたスペックで登場したものの、ボーナスの消化速度やARTの仕組みで攻略されてしまった印象でした。

とはいってもART機なので、BIGを引けないとかなりの投資を強いられます。BIGを早掛けして持ち玉を作り、確率通りにボーナスを引かないときついです。当たり前ですが。

 

また、BIGが純増6枚の30ゲーム消化。ARTの純増が0.3枚と、とにかく出玉のスピードが遅いんですよね。通常時の退屈さもありましたが、出玉のメリハリの無さから、打っていてダルさを感じます。6号機の性質上仕方のないことではあるんですが・・・。

 

でも、この台があったおかげで(?)、6号機も打ってみようかなってなった人もいるんじゃないかと思います。当時はまだ5号機も混在していたので、6号機を打つくらいなら5号機打つわって人が多かったと思います。

 

余談ですが、ボーナス後のRTを使う性質上、ベルがどうしても6枚払い出しが限界になります。短期出玉試験の233%をクリアするためですね。7枚役にすると、3枚掛けの7枚返し、233.3%で超えてしまいます。

7枚以上のベルを搭載している6号機のART機は必ず「準備中」がありますね。詠唱チャレンジだったり、カケラ紡ぎだったり・・・。

 

面白いから打つ!よりも、甘いから打つ人の方が圧倒的に多かった印象

 

 

6号機の縛りに抗った台でもあった

最後に、「いろはに愛姫」がちょっと攻めた台であったという話をしたいと思います。

この頃、「小役の偏りは禁止」でした。5.5号機から抜群にコイン持ちがよくなりましたが、ベルフラグの押し順が均等になったためです。

またペナルティも廃止され、どこから押しても良くなりました。

 

その後6.1号機の改正で押し順小役の偏りが認められ、下限値試験の緩和がされたため、今のスマスロのようなコイン持ちの悪いAT機が誕生しました。

 

厳密には5.5号機手前からです。初代ガルパンもどこから押してもOKでしたね。

 

 

いろはに愛姫は6.0号機なので、当然押し順の偏りなんか認められるわけがないんです。しかし世に出ている以上、何かしらの抜け道があるということですね。

 

共通リプレイフラグはどこから押してもリプレイ

リプレイは厳密にいうと「小役」と定義されず、別の存在として扱われます。例えば、リプレイを取りこぼすのは不可能であるという点は、メイン小役と違います。

 

押し順の偏りが禁止されたのはあくまで「メイン小役」なので、共通リプレイの制御に偏りを作っても問題ない!ということです。

そのゲームで揃うのはどの押し順でもリプレイであり、転落する心配のない共通フラグであるため、制御に偏りがあっても問題ないということです。

もちろん「転落リプレイ」は偏りがあってはいけません。

 

指示機能(セグ)が発動する場合は偏り禁止ですが、愛姫は3択青7フラグが成立したことまでしか教えてくれないのでセーフ()

 

 

今回のブログは以上になります。

仕組みを考えると、実は世界解剖クラスの抗いをしていたことがわかります。

 

当時は出玉に振ることが厳しかったので、演出やゲーム性に振っていたメーカーが多かったように感じます。大都技研秘宝伝Revなんかがいい例ですね。

 

個人的に今のスマスロよりもゲーム性に振ってくれた方が好きなんですが、今のトレンドが出玉力なので、もう少しの辛抱になりそうです。

 

私自身が開発者ではないので、間違いがあればご指摘願います。

 

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